完璧な賭けが示す、科学とギャンブルの関連性

アダム・クチャースキー氏は、「ギャンブルは科学的試みや現代世界の進化に大きく貢献している」と述べています。ケンブリッジ大で応用数学を学び、ウォーリック大で博士号を取得した同氏によると、「科学者や数学者は、カードゲームやその他のギャンブルのレイアウトを理論構築に利用し、社会に大きな影響を与えている」ということです。数学、心理学、金融学、物理学の各分野にまたがる同氏の著書は、「賭け事が“偶然と意思決定”に関する洞察をもたらす理由の説明を試みて」書かれたものです。 

ガリレオからエイブラハム・リンカーンの時代まで、ギャンブルは常に研究者の実験の場であり続けてきました。クチャ―スキー氏の本の表紙には、「16世紀のパブでサイコロが振られた時から、偶然性に関する研究が行われるようになり、ポーカーによってゲーム理論が生み出された」と書かれています。

同氏は最近では、「運と才能、そしてギャンブルと投資の境目は、我々が想像するほど明確なものではない」とも述べています。

リスキーなビジネス

賞金をかけた確率のゲームを「ギャンブル」と呼びます。もちろん、経験豊富なプレイヤー、特にプロの場合は、ポーカーやブラックジャックといったテーブルゲームの多くにはスキルというコア要素が伴うと考えています。更にフィル・アイビーほどのプレイヤーになれば、バカラでさえもそういったゲームに該当するでしょう。

クチャルスキー氏は今週、イギリスのザ・ガーディアン紙のインタビューで、「ギャンブルとそこから生み出されるゲームは、確率論、期待値の概念、ランダムな発生と偶然、効用の概念、カオス理論、モンテカルロ法、ゲーム理論などが発展したものである」という主張を展開しました。同氏はその著書においても、「応用科学におけるギャンブルと結果の重要性に関する主張」を述べています。しかし、カジノでは「完璧な賭け」は存在しません。

同氏は、政治や時代の流れがテーマの英国雑誌「New Statesman」でも、「最高のスポーツチームは、最高のギャンブルチームと同じで、いつもうまくいくとは限らないが、相手より多く勝利するための方法を知っているのだ」と述べています。

長い歴史をもつギャンブル理論

クチャルスキー氏の著書は、特にポーランドで注目されていますが、科学とギャンブルのつながりに関する研究というのは、実は目新しいものではありません。最古のギャンブルの記録は、5,000年前の古代エジプト時代のものです。古代エジプト人たちは、4つに分割されたボードの上に落ちる小骨で賭けをしていました。しかし、賭け事の歴史自体はもっと古くまでさかのぼります。先史時代には、おそらくジャンケンが存在したと考えられています。(ただし、パーはありましたがチョキはなかったようです。)

ルーレット、クラップス、ブラックジャックの勝率を上げる方法、ポーカーで相手に勝つ方法などが書かれた本は多数存在しています。しかし、ゲームの統計データもまた、科学研究、ギャンブルのアイディア、知能アルゴリズムの発展に活用されているのです。

クチャルスキー氏は、「まるでギャンブルのようなヘッジファンドを支えているチーム」から「公平性を確認するために25,000回コインをトスした数学者」に至るまで、ギャンブルと科学のつながりの世界を視聴者に垣間見せてくれます。このような賭博ビジネスに関するユニークな見解を聞くと、今週末にでもカジノを訪れたくなりますね。